case社会福祉法人不易創造館 下瀬谷保育園

社会福祉法人不易創造館 下瀬谷保育園

園長 櫻井宏基様 辻林加奈子様

社会福祉法人不易創造館 下瀬谷保育園

園長 櫻井宏基様 辻林加奈子様

社会福祉法人不易創造館 下瀬谷保育園
URL http://www.fueki-souzoukan.or.jp/shimoseya/
住所 〒246-0036 神奈川県横浜市瀬谷区北新15−4
事業の種類 私立保育園
定員 67名

小田急電鉄桜ヶ丘駅と相模鉄道瀬谷駅のちょうど中間に位置する下瀬谷保育園。すぐそばを流れる境川や周辺に点在する公園など、自然豊かな環境に恵まれ、子どもたちは四季折々の変化を肌で感じながら日々を過ごしている。
法人の理念である『遊びこみ、遊びきる』を基盤に、一人ひとりの個性を尊重したインクルーシブな保育を大切にし、”遊・食・眠・笑”を通じて、子どもたちの心身の健やかな成長を支え、安心して過ごせる場を提供している。
広々とした園庭には、すべり台やボルダリング付きの大型遊具、畑などの設備が整っており、子どもたちは思う存分遊びながら、主体性や創造力を育んでいる。

お話いただいたのは、園長の櫻井宏基先生、辻林加奈子先生。インタビュアーはリンクエイジの大野。

Q下瀬谷保育園ってどんな保育園ですか?

下瀬谷保育園は、2018年に横浜市の公立保育所から民間へ移管され、新たに生まれ変わりました。”みんなが嬉しい保育園”を目指し、行事や活動内容の見直しを重ねています。当園の一番の魅力は『豊かさ』。ここでいう豊かさは、物質的なものではなく、心の豊かさや環境の充実、そして人と人との温かいつながりを指します。日々の保育を通じて、子どもたちはもちろん、保護者や地域の皆さん、関わる全ての人々が、この豊かさを感じられる場を作ることを大切にしています。

Q下瀬谷保育園ならではの特色ある活動や行事があれば教えてください。

当園では、”遊び”を子どもたちの成長の基盤と考えています。なので、行事に関しては、子どもたちの目標になるものではありますが、それ自体がメインイベントになるというよりも、遊びや活動の延長線上に存在する、身近で気軽な”イベント”というような位置付けです。また、保護者の方々も関わり、時には一緒に遊びながら知り学び、子どもたちと豊かに成長していけることが一番の特徴だと思います。

具体的には、廃材を使った遊びを大切にしています。合言葉は「なければ自分で作ればいい」。一度は捨てられる予定だった廃材でも、子どもたちが自分で考え、その特性を活かして作ったものは、世界に一つだけの大切な宝物になります。

それに加えて、最近では親子の活動も大事にしています。『親子の会』と称した活動で、まだまだ発展途上ではありますが、これも当園の特徴になりつつあります。

例えば、園庭に砂山を作ったときの話です。砂場の砂が少なくなり、子どもたちが遊びづらそうにしていたので、1年半ぶりに砂を入れ替えることにしました。しかし、ただ砂場に砂を入れるだけでは面白くないと思い、今回は思い切って園庭の真ん中に砂をドーンと下ろしてみることにしたんです!その後、先生たちと話合い『せっかくなら、保護者の方にも参加してもらおう。』ということになりました。当日は、業者の方にトラックから砂をおろしてもらった後から、砂山づくりがスタート。親子&先生で大盛り上がりでしたよ。子どもたちは雨どいやバケツ、ホースなどを使って砂山で水遊びを楽しみ、最後はみんなで砂山をきれいに整えました。

https://www.instagram.com/shimoseya_hoikuen/

Q保護者の方々の反応はいかがですか?

砂山作りの活動が終わったあと、あるお父さんが「面白かった!でも、結構大変なんですね。先生たちはいろいろ考えてるんですね。」と話しかけてくれました。保護者の方々にも保育の工夫を理解していただく機会になったことを実感しました。
さらに「廃材とか何か必要なものがあれば持ってきますよ」と声をかけてくれたんです。実はこの方、お仕事で内装業をしている方で、普段なら手に入らないような、壁紙に使うシートの余りや、トイレットペーパーの芯よりもはるかに太くて頑丈な芯を提供してくれたんです。そんなふうにして、他の保護者も「うちも何か持ってこようか」と協力してくれるようになり、日に日に沢山の材料が集まっています。

先日行った夏祭りごっこでは、4歳児クラスのひまわり組が、餃子屋さんごっこをしたんです。最初はラーメン屋さんもやろうかというアイディアも出ていたのですが、話し合いの末、餃子一本に決定。もちろん、廃材や画用紙で模倣して餃子を作るんですけど、子どもたちは本物に近いものをやりたがるんですよ。本物同様、外見ではわからないのに中身(あんの部分)にこだわったり、皮で包み閉じることに熱中したり…。本物思考で遊んでいると「一度、みんなでラーメン屋に行ってみたいね」という話も出てきました。

そんな中、保護者の方の一人がラーメン屋さんをやっていることが判明!!子どもたちに本物の餃子作りを見せていただきたいと思い、オファーしたんです。すると、最終的にはOKのお返事をもらい、来園してくれることになりました。先生も子どももプロの技に大喜びでしたよ。嬉しい、楽しいはもちろんのこと、こういった活動を食育にもつなげていきたいと思っています。

https://www.instagram.com/shimoseya_hoikuen/

また、去年の話ですが、たい焼きごっこをきっかけに、実際に本物のたい焼き屋さんに行ったこともありました。ここでも、本場のたい焼き機を目の前に、本格的な作業を見せてもらって一同感動…だったんですが、せっかくお店のあんこを入れてもらえたのに、子どもたちは「あんこ嫌い!ジャムがよかった」とか言い出して…(笑)素直ですよね。それでも最後には、本物のたい焼きをほうばって、大喜びでした。

Q地域や保護者と協力して、保育を作り上げているんですね。 保育の中で大切にしていることを教えていただけますか?

子どもや保護者の声をベースにすることを大切にしています。子どもたちの興味や好奇心から生まれる遊びや活動を意識しているので、毎日何が起きるのか、ワクワクです。

曜日や時間ごとにカリキュラムが決まっている方が保育者にとっては取り組みやすい面もあるかもしれません。子どもの姿に合わせた自由度の高い保育は難しく、工夫が必要です。ですが、子どもたち一人ひとりが自由な環境で、やりたいことを自分で考え選択し、安心して遊べるような枠組みを整えています。

もちろん、ルールやマナーがまるっきり無いわけではありません。ルールもマナーも子どもたちと一緒に考えて行きたいんですよね。そうした『園内の小さな社会』を作っていきたいと考えています。

Q今後の展望をお聞かせください。

保育園って、もっといろいろなことに挑戦してみても良いと思うんです。新しい価値観や喜びを生み出し、提供できるような場所になれたら良いなと考えています。

例えば、現在は在園児・卒園児向けに留まっている親子イベントを、周辺地域の子どもたち向けにカテゴリーを追加し規模を拡大したり、保育園オリジナルデザインのTシャツを製作してみたり、子育てワークショップを開催してみたり。保育の中身の充実や親子の幸福感は大前提に置いて、保護者や子どもたちが嬉しい、楽しいと思える場所にしていきたいですね。

つまり、みんなが嬉しい保育園にしていきたいです。

Qこれからのリンクエイジに期待することはありますか?

正直、現時点で不満は特になくて、本当にこのままでいてくれたらありがたいなっていう感じですね。強いて言えば、メモリッジドライブがどんどん使いやすくなっていくことに期待しています。例えば、販売写真の選定がもっと短時間で完了するようになれば、より効率的に仕事ができたり、私たちも新しいことに挑戦しやすくなったりすると思います。

また、期待というよりは、どちらかと言うと『一緒に考えていきたい』という気持ちが強いです。私たちが子どもたちと一緒に学んで成長していくように、リンクエイジさんとも協力して、もっと良いものを作り上げていきたいと思っています。
例えば、リレーでうまくいかなかった時に、子どもたちがどうしたらもっと速く走れるかを自分たちで考えるように、私たちも現状のサービスをどうやったらもっと活用できるか、一緒に考えていきたいです。一緒に考えて、協力しながら新しいことに挑戦できたら嬉しいです。