主幹 北川怜様 安原希様
URL | http://shindo-k.ed.jp |
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住所 | 神童幼稚園:〒560-0046 豊中市千里園 2 丁目 4 番 5 号 神童幼稚園分園:〒560-0046 豊中市千里園 2 丁目 3 番 2 号 |
事業の種類 | 私立幼保連携型認定こども園 |
定員 | 定員:358名 |
阪急宝塚線豊中駅より北へ徒歩7分、閑静な住宅地に位置する神童幼稚園には、広い保育室や、園庭のクライミングウォール等のワクワクする設備が揃っている。
そんな楽しい保育環境の中で、子どもたちが自由に自ら遊びを見つけ、ともだちや保育者とふれあいながら遊びに熱中できることを大切にした「體(からだ)と心を充たすのびのび充実保育」が実施されている。
お話しいただいたのは主幹の北川先生と安原先生。インタビュアーはリンクエイジの藤田。
神童幼稚園は1942年に現在の園長のお父様によって創立され、地域に根ざした木造平屋の園舎から始まりました。創立間もない1945年、戦争の爆撃により園舎にも甚大な被害が及び、後には直径10mもの大きな爆弾池ができました。この爆弾池は、創立者の北川定雄先生が長い時間をかけて埋め戻したそうです。
戦後の混乱の中で、親しい方々を亡くしたり、行き場を失った子どもたちを目の当たりにしたことから、「平和と共生」という理念が神童幼稚園に深く根付きました。戦争が再び起きないように、意見や価値観の相違を話し合いで解決できる子どもたちを育てるために、乳幼児期の教育が重要だと考えています。
神童幼稚園は2022年2月24日に創立80周年を迎えましたが、その日にロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。この出来事は非常に心が痛かったですね。実は、そうした背景から創立80周年のお祝いは行っていないんです。園長をはじめ、先生たちも「平和と共生」への思いをさらに深めることとなりました。
そんな理念に基づいて、子どもたちには「何かあったら話し合いで解決していこうね」と大切に伝えていて、”戦いごっこ”もしません。 保育を進めるにあたっても、話し合いを大切にするベースがあって、クラス内での取り組みも子どもたち同士で話し合って決めています。例えば、今は子どもの提案で「どうしたら塩の結晶を綺麗に作れるか?」を調べているクラスがあるんですよ。
話し合いやプロジェクト型の保育は、世間で取り上げられるよりもずっと昔から実践しています。現在は「子ども主体の保育」が広く謳われていますが、神童幼稚園では30〜40年前から当時の園長がそれを掲げていて、当時ではかなり先進的だったと思います。
低年齢児のうちは小さなグループで、AとBどっちがいいかとかそんな話から始めます。
年次が上がるにつれて、いろんな意見があって当たり前、お互いの意見を尊重しようという雰囲気がだんだんと根付いてきますね。
年長さんは運動会の出し物なども話し合っていて、なぜそれがしたいのか、したくないのかといった理由も必ず伝え合います。意見の対立があってもお互いに否定はしません。
単なる多数決で決めずに、例え20対1になってもその「1」の話をちゃんと聞いて、納得できるように話し合ったりしていますね。違う意見を部分的に混ぜ合わせたり、時には少数派が逆転することだってあるんですよ。
子どもたちの主体性を大切にした保育で、自立と自律を促すことを目指しています。
「話し合いを大切にすること」に加えて、「禁止・指示・命令をしない」というのも先生たちの共通認識です。
子どもが夢中になっている遊びを止めたり、十分な信頼関係が築けていない状態での指示はしません。暴力や差別的な言動は止めざるを得ませんが、相手の気持ちを確かめながら解決に向けた話し合いを促します。
例えば、運動会の組体操は先生が”やらせる”のではなく、「忍者の修行」と呼んで、あくまでも先生は子どもたちを応援する立場をとっています。
ナースリー(0〜2歳児クラス)ではおやつを食べる時間だってその子のペースに合わせてばらばらです。
子どもの主体性に重きを置いて毎年保育を見直している中で、一斉保育はほとんどなくなりました。
子どもが自分たちの楽しかった記憶を思い出せるように、保育室や階段にも写真を展示しています。特に階段の写真は「ギャラリー」と呼んでいて、卒園式のある3月はその年の卒園児が入園したときからの写真を並べたりしています。
また、神童幼稚園では普段の遊びを重要視しているので、制作物をたくさん持ち帰ったりはしないんです。おうちの方には、遊んでいる姿、クラスの流行や雰囲気を写真で伝えたいと思っています。
例えば、「今日幼稚園で何したの?」という漠然とした質問ではなく、親子で一緒に写真を見ながら、より具体的なコミュニケーションをするきっかけになればいいなと感じています。
おうちの方に写真を配信するときも、「このあとどうなったかはお子さんに聞いてみてくださいね」と一言添えたりしているんです。
そういった意味で、写真販売だけではなく、保育を伝えたり、コミュニケーションを促すためのツールとしてもメモリッジを活用しています。
子どもたちって色んなところでいいことや面白いことをしてたりするんです。先生は子どもたちの安全にも目を配らないといけない分、そんな瞬間を見逃してしまうことも。だからこそ、フォトグラファーの方には、そうした瞬間や先生が気づいていない子どもたちの姿を積極的に切り取っていただきたいと思っています。
ピースしたカメラ目線の写真もいいですが、子どもの感動やそこに至るまでの物語が伝わる写真をたくさん届けたいですね。