case学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園

園長 安家匠 様

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園

園長 安家匠 様

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園

あけぼの幼稚園は、創設者安家茂美・周子夫妻が若干32歳の昭和28年11月に、婦人之友社友の会の協力者や地域の方々のご支援を請け大阪府知事認可を得て、翌昭和29年4月に豊中市南桜塚に第一歩を踏み出しました。園児20名あまり、教員3名のスタートでした。
当時、あけぼの幼稚園は健康教育である「裸教育」を推進しており、年がら年中上半身裸の生活でした。
保育者も1年中半袖。今でも年配の方々は「あけぼのは裸教育やな」と言っていただけるほど、近所では有名でした。平成以降も薄着教育として続いています。
常に保育の原点を振り返り、人間教育の基礎である乳幼児期の価値を再確認することに精を出し、一生懸命子育てに奮闘する保護者、熱心でパワフルな保育者に支えられながら、将来「自由な人間になる」事を目指して、日本の幼稚園・保育園のモデルとなるような、あけぼのオリジナルな保育を創造されています。
インタビュアーはリンクエイジの藤田。

Qあけぼの幼稚園ってどんな園ですか?

結果が見えやすい数や文字、何かを知っているなどの「認知的能力」ではなく、将来人間が生きていく中で最も大切な愛他心、やる気、試練を乗り越える力、自己抑制や忍耐力などの「非認知的能力」の基礎を大切に培うことを保護者と共有し、園と家族が手を取り合って子育てに励む「あけぼの子育て村」を目指しています。

【「よく生きる」という権利】【子どもは「信じるに値する存在」である】【「子ども中心」である】【「不便、不足、不快、不潔からの学び」=自然と生きる】【子どもには「ケガをする権利」がある】【遊びや生活で「頭と身体を能動的に鍛える」】【「習慣は遺伝を超える」】という7つの要素が、”あけぼの”という生き方の核となります。

Qリンクエイジと出会う前、写真等の販売でどんな課題(やりたいこと、表現したいこと)がありましたか?

これまでも、写真を使った保育の可視化、共有化は積極的に行っていました。
たくさんあるうちの一つで言えば、職員が撮影した写真を様々な形で保護者に提供したりしています。
また販売用の写真としては、以前よりリンクエイジ株式会社さんではない写真屋さんに、行事の写真やアルバムの写真の撮影をお願いしていました。
行事とアルバムの写真が中心なので、第三者視点で日々の中の何気ない一日を撮ってもらうということはそんなに機会がありませんでした。
同時に、職員が撮影する写真は、子どもに近いので子ども達の表情としてはいい写真だと思いますが、逆に言うと、どんな環境の中での保育なのか、先生がどのような関わりをしているかは保護者にはなかなか伝わりにくいなと思っていました。

Q当初リンクエイジはどんなイメージでしたか?

リンクエイジ株式会社さんについては、かねてから積極的に各種研修会や学会、公開保育や園内研修などにもよく参加されていたので、知っていました。園・子ども達・保育を理解しようとする姿勢を感じる会社だとイメージを抱いていました。
人的・物的・空間的な環境が見えるような第三者視点の写真を望んでいたところ、リンクエイジ株式会社のことを思い出しました。

Qどんな写真を一緒に作り上げていきたいと思われていますか?

環境が見えるような、人的・物的・空間的環境を含んだ写真表現を行うためには、園や保育を理解いただくことが必要だと思います。
一方で、保護者に「保育ってこうなっているのかな?」という想像を広げてもらうため、保育を知ってもらうためには、園内部にはない視点、第三者的な視点も必要だと考えています。

なお、当園では、笑顔だけでなく、喜怒哀楽のすべてをリアルな情景として切り取ることこそが園での生活を伝えるために必要なものだと考えています。

例えば4月。園内では、お母さんと離れたくなくて泣いている子がたくさんいたりします。
この時、担任の先生は、自分のクラスの子ども達の様子を撮る文化が当園には既にあります。ですが、他クラスの子ども達までは撮りません。

担任の先生が抱っこして、その腕の中で子どもが泣いている。
担任の先生は子ども達にとって人的環境ですよね。故に、「先生+子ども+園内環境がそろった全景」にこそ保育の神髄があると考えています。 そして、そんな保育の神髄を第3者に記録してもらいたいと思いました。

この話をリンクエイジ株式会社さんにお伝えしたところ、とても共感されていたことを覚えています。
アタッチメントや保育環境の大切さについて、当たり前に話ができる写真屋さんって、なかなかいないのではないでしょうか。

ただ、「理解する」と「表現できる」とは異なりますので、まだ完璧に私たちの目指す写真撮影が叶えられたとは言えませんが、引き続きすり合わせを重ねていきたいと思っています。

保育理念しかり、保育目標しかり、写真しかり、数字で区切れたり明確に意図が伝わることが約束されたものではありません。
当園で実施した「公開保育を活用した幼児教育の質向上システム(ECEQ)」にリンクエイジ株式会社さんも参加されていて、その際に、「理念や大切にしていることが、よくわかる、浸透しているように見える」と伺いましたが、組織の中の立場から見るとまだまだ。

どんな組織でも、伝え続けること、イメージの共有を行うこと、が大切だと考えています。
これからも写真、そして保育についても対話を重ねていきたいですね。
大事なものはどんな組織でも変わらないと思います。

第三者視点で空気感を撮影した写真に、愛情たっぷりの言葉を添えて、あけぼの幼稚園で過ごす子どもたちの、幸せな物語を一緒に作っていきたいです。
そして、それを知ってくれた人が「あけぼのはいいな」「リンクエイジ株式会社はいいな」と思ってもらいたいですね。