幼稚園・保育園・認定こども園・小学校他における写真や映像の撮影・販売を行うリンクエイジ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:藤田 俊)は自社で運営する『memoridge(メモリッジ)』にて「学校写真において家族がほしい写真」について調査を行いましたので、その結果をお知らせします。
【背景】
2020年2月から始まった、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、度重なる緊急事態宣言や外出自粛などにより、子どもたちの育ちの機会の損失、先生方の学びの機会の損失、保育の伝達方法や人間関係の構築方法の模索など、大変な苦労をされたと、多くの教育・保育関係者の方よりお声をいただきました。
そのような環境下において、「保護者の方々が、見たい!欲しい!と思われる写真はどのようなものなのか」を深掘りするため、『memoridge』の会員様にアンケートを実施しました。さらに、そのニーズに沿った写真を撮影するため、当社フォトグラファーへアンケート結果を共有しました。
【調査内容】
本調査は、幼稚園・保育園・認定こども園に通われているお子様の保護者の方々を対象に、10項目からなるアンケートを実施するもので264名から回答を得ました。
この2年ほどは、マスクをつけての保育活動が非常に多く、弊社のフォトグラファーも、良い表情の写真の撮影が困難を極めました。多くのイベントが中止や延期を余儀なくされ、写真を楽しみにされている保護者の方々に、充分な量の写真をお届けできなかったと振り返ります。そこで弊社は、たとえ少量の写真しかご用意ができなかったとしても、「保護者の方々に喜んでいただくためには、どのような写真を撮影・提供する必要があるのか」を分析しました。弊社のサービス自体の向上も目的としての定点調査です。
第1回
第2回
計:264名の会員様にご協力を頂きました。
【調査結果サマリー】
Q どちらの写真をお子様の記憶として残したいですか?
A:遊びに熱中したり、活動に参加している最中の自然な写真
B:ポーズを決めているカメラ目線の写真
(見解)
園が保護者に伝えたいと思う写真は、保護者も見たいと思っていると言えるのではないか。各種要領や指針に記載されるような、意欲・心情・態度を、いかに撮影者がとらえることができるかがポイントになる。それはつまり、ただ日常の様子を記録するというのでは不足しているということを示唆している。子ども達の興味・関心の矛先、そしてそのきっかけと結果。これら一連のストーリーが想起されるような写真が求められると言えるだろう。そのような撮影をするためには、「教育・保育のなんたるか」を撮影者も学ばなければならない。
Q あなたが購入されるのはAとBのどちらの写真が多いですか?
A:発表会や運動会といった行事や保護者参加のイベントの写真
B:保護者が普段見られない日常の保育中の様子の写真
(見解)
かつては発表会や運動会などの、いわゆるメイン行事と呼ばれるものの写真ニーズが圧倒的に高かった。もちろん単純に「保護者が参加して見れる/見れない」は大きいように思うが、各園の熱心な保育の振り返りや問い直しもあり、さらにコロナ禍において様々な繋がりが遮断されたということも相まって「普段誰とどのように過ごしているのか」に保護者の興味がシフトしていることが感じ取れる。例えば、多くの園では、コロナ禍の制限の中、行事の在り方、その中身、そしてその意味を再認識・再確認されることが多かったようだ。このような「行事は誰のためのものなのか」「行事は手段なのか目的なのか」「ハレとケ」などを意識した行事改革が実行されたり、それに順ずる表現や発信や目立ってきたということも、保護者の考え方やニーズに変化をもたらしてきたことの一つの要因と言えるのではないか。これからは、「子どもの育ちは時間軸とともにある」という観点や、保育の連続性などをも意識した写真の提案・撮影が求められるだろう。
Q あなたが購入したいと感じる写真は次の3つのうちどれですか?
A:お子様一人で写っている写真
B:お子様とお友達が2-3人で写っている写真
C:お子様とお友達が5-6人で写っている写真
(見解)
「我が子がかわいく大きく写っている写真」が欲しいというニーズは根強くあるが、こちらのアンケートでも、保護者の関心の中心は「誰とどこでどのような体験をしているのか」に強くあると読み取れる。世間では、地域との関わりが希薄になっていたり、社会との接続が課題にあがっていたり、核家族化が進んでいたり、デジタルな繋がりが増加していたり・・・。このような社会情勢も加味すると、保護者の興味は「初めて(の子どもも多い)の集団生活、他者との関わりの中で、我が子がいかに生きる力を身につけていっているのか」に集まるという結果は、至極当然のニーズなのかもしれない。
【保護者からの写真に関してのコメント(一部抜粋)】
【総括】
本調査により、「遊びに熱中したり、活動に参加している最中の自然な写真」「保護者が普段見られない日常の保育中の様子の写真」「お子様とお友達が2-3人で写っている写真」が求められやすい、つまり保護者は、「普段誰とどのように過ごしているのか」を知りたいということが明らかになった。「保育の可視化」という言葉で語られることが多くなった昨今だが、この結果をリンクエイジ株式会社として、リンクエイジ株式会社らしく見たいと思う。リンクエイジ株式会社としては、この調査結果を受け、5領域の内、「人間関係」と「環境」や、10の姿の内、「協同性」「社会生活との関わり」などに注目したい。
これらを表現するような撮影(構図や撮影方法含む)を行うことができれば、そこには必然的に「環境(人的環境・物的環境・空間的環境)」が写り込むことになるだろう。子どもたちの発達の側面から考えても、5領域や10の姿は複合的に獲得されていくものであるという性質を考慮しても辻褄はあうように感じる。これらを表現できるような写真が量産できれば、保護者にとっては満足度が向上し、子ども達にとってはその写真を見ることで遊びの軌跡を思い返すような使い方ができたり、園にとっては保育環境を俯瞰視することができカリキュラムマネジメントに活かすことができたり、先生方が園児もしくはその集団の興味関心を振り返る素材として活躍するだろう。
「保育の可視化」とは、決して保護者に保育を伝えるためだけのものではなく、あくまでも「子どもを真ん中」においた全ての関係者にとって、過去と未来を繋ぐ「幸せの源」なのかもしれない。そして、「写真」とは、「より子ども達、そして大人たちのためになる素材」であり、「愛し愛された記録」であり、商品として以外にも「素材」としての活用を促進することで、その価値はまだまだ昇華できるということを再認識させてくれる結果だと振り返る。
※本内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
【調査元】
リンクエイジ株式会社