case学校法人ひじり学園 せんりひじり幼稚園

学校法人ひじり学園 せんりひじり幼稚園

副園長 安達かえで様

学校法人ひじり学園 せんりひじり幼稚園

副園長 安達かえで様

閑静な住宅街に溶け込むようにせんりひじり幼稚園はある。一歩中に踏み入ればそこには青々とした芝生とサッカーコート。横を見れば、物語の世界にいるかのような森・ビオトープ・園舎。ふと見上げれば、木漏れ日から抜ける光の筋が顔を照らす。
やさしくあたたかい。これは陽の光だろうか。それとも五感で感じる愛だろうか。
子どもたちは豊かな保育環境の中で、自分のやりたいことを存分に楽しんでいる。子ども達が、自分がやりたいと思うことを安心して存分にやりきっている。外に遊びに行くのが楽しくて、なかなかお部屋に戻ってこない子もよく見かけるが、呼び戻すようなシーンを一度も見たことがない。そんな時も必ず担任以外の先生から温かい笑顔が向けられている。
先生方の豊かな同僚性に支えられた子ども達の保証された自由が見える。そして、子ども達のことを考え抜いた理論と実践が常に高い次元で交差しているが、それは常に発展途上の姿だと聞く。先生方も子ども達も、そして保護者の方も、幸せで満たされる愛の空間。それが、せんりひじり幼稚園である。
お話頂いたのは、副園長の安達かえで先生。インタビュアーはリンクエイジの藤田。

Qせんりひじり幼稚園はどんな幼稚園ですか?

せんりひじり幼稚園は、1966年に学校法人ひじり学園 新千里幼稚園として、千里ニュータウンの開発と同時期に開園しました。2010年から幼保連携型認定こども園に移行しました。
姉妹園のひじり幼稚園は来年100周年を迎えます。先々代の圓光寺住職が設立し、お経の中に書かれているように
「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」
「阿弥陀経の中のこの言葉は幼児教育の心そのもの。その子の色を大切にすることを忘れてはなりません。」という安達 晋(ひじり幼稚園創設者)の考えのもとでひじり学園の保育は始まりました。

子どもはもちろん大人も自分らしくいられる園を目指しています。

Q先生が保育で大切にしていることは何ですか?

保育という営みは子どもを理解することから始まります。保育者の意図を一方的に押しつけるものではないので、どのように関わるかの前に、目の前の子どもの心もちを理解すること、何が育とうとしているのかを見極めることから始めることが大切だと考えています。そして、子どもが自ら環境に関わって主体的に学んでいけるように、夢中になれる環境を用意し、愛をもって関わっていきたいと考えています。

子どもの「今」、「ここ」の思いに寄り添い、遊びや生活の中から様々なことを感じたり学んだりしながら育っていくことを大切にしています。一人一人の子どもが自分らしさを生かして輝やいて生きていけるように支えていきたいと思っています。
また、当たり前のことですが、子どもにとっても大人にとっても、せんりひじり幼稚園が居心地のいい場所でありたいと思っています。居心地のいい場所というのは、自分を肯定的に受け止めてくれる大人や友達がいるということ。
そして自分たちの生活や遊びを主体的に決めていくために、安心して対話できる関係性であることが大切だと考えています。

Qリンクエイジの写真は園にとってどのような立ち位置ですか?

リンクエイジさんには、普段の園生活での子どもたちの様子を中心に、毎月撮影していただいています。
また、先般リンクエイジさんも見学に来られていましたが、私たちは子どもを理解するツールのひとつとして、写真を使って子どもの姿から思いや育ちを探る会議を行っています。
写真は子どもの一瞬を切り取ったものですが、そこには、多くの情報が詰まっています。
その場にいた保育者の視点だけでは読み取り切れなかったものを写真を使って紐解いていきます。
子どもの目線、体の向き、手の表情、力の入り具合などを見ながら、子どもの思いや友達との関係性を探っていきます。
そういった意味で、子どもの普段の写真は、子どもを理解するための情報の宝庫となっています。

Qこれからのリンクエイジに何を期待していますか?

良い写真とは、一瞬の場面を切り取っていても、そこから物語が生まれてくるような写真なのでしょうか。
リンクエイジさんは、子どもの写真を撮る際のレンズの向け方などを研究されていると聞きました。どの瞬間を切り取るのかは子どもを理解している人ほどわかり、いい写真が撮れると確信しています。
藤田さんは、社員の方と共に我々の様々な研究会に必ずと言っていいほど参加されて(どこにでもいる・・・笑)、乳幼児教育保育について勉強されていることに頭が下がります。

私たちは子ども理解の研究をし、子どもと保育者を育てていますが、リンクエイジの方々も子ども理解の研修に参加され、よりいい写真を撮るだけでなく、写真の撮り手を育てていらっしゃるということで、リスペクトしています。
今後も、よくある園と写真屋さんという関係を超えて、子どもの豊かな育ちを共に支えていける嬉しい関係でいたいと思います。